2013/01/08

疾患


いつのまにか指の皮膚の裏側に、茶色い木の棘が刺さっている。
じわじわと痛みが来る。

流行り病ではありませんが、自分の弱さに辟易する。
それでも、立ち止まることは、つぎに動き出す力を出すための大事な時間。
喪失することで獲得しつづける――正しく。
その通りであります、閣下。

ちっちゃな鼠がちゅうちゅうと、泣いている。
手錠を掛けられた夜鷹が空を待っている。
やさしい鼠。こちらをみて微笑む。

この棘はいつ、体の外へ出ていくのだろう。
その瞬間を、わたしは見ることが出来るのだろうか。
ずっと夢のなか、と思えば、ずっと夢のなか。
終わりはまだ来ない。
きっと終わりなんてない。
あるのはこころだけ。
存在するのは、自分だけ。

この痛み、早く絶って仕舞いたいな。

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